2011 Rotax Max Euro Challenge Race1 レースレポート 笹原右京

2011 Rotax Max Euro Challenge Race1 Race Report

(Circuit Genk、Belgium Date 3/30-4/3)

<エントラント>PAUL CARR RACING
<参戦クラス>Rotax Max Juniors(ゼッケン6番 70台)
<シャーシ>KOSMIC
<エンジン>Rotax Max Juniors
<タイヤ>Dry MOJO D1 Wet MOJO W2
<レーシングチーム>PAUL CARR RACING

<リザルト>
Qualifyng Practice 総合1位 予選A組
Qualifyng Heat A+B 1番手スタート 1位
Qualifyng Heat A+D 1番手スタート 1位
Qualifyng Heat A+C 1番手スタート 1位
Pre Final 1番手スタート 1位
Final 1番手スタート 1位(ファステストラップ)

<リザルト詳細URL> RGMMCライブタイミング
http://www.motorsport-events.se/racemoneuro/
(下部ダウンロードリザルトより)
<RGMMC NEWS>
http://www.rgmmc.com/index.php
<チームリリース>
http://www.paulcarrracingltd.co.uk/index.php?option=com_content&view=article&id=99:paul-carr-racing-proves-unstoppable-in-europe&catid=1:latest&Itemid=19

<詳細コメント>
3/30水曜日

朝からポツポツと雨が降り、コースに着くと路面はウエットコンディション。
Genkの雨は初めてだったので、セッティングを早く進めようと思った。

朝のセッションから好調を保ち、
セッティングも上手くいきどんどん走りやすくなっていった。
少しボトムが足りない感じなので、メカニックのオリ(OLI)に伝え、
チーム監督のPaulにも相談して走行を進めた。
それによってマシンはさらに良くなり、雨の時間は終了した。
雨上がりのドライコンディションもカートは上手く決まっていて、
タイムも常にトップタイムを刻んでいた。
今回が初対面のメカニックOliとのコミュニケーションも問題なく、
監督のPaul、エンジン担当のIan、チームドライバー達、
ドライバー達のメカニックなど、
自分なりにいろいろな人間とコミュニケーションが取れるようになってきた。
英語で冗談も言えるようになった。

3/31木曜日

また雨が降っていた。
昨日のセッティングとは違うものをテストした。
雨量などの変化で条件が異なり、セットがいいのか悪いのか判断が難しかったが、
様々なテストできて充実していた。
最後の2セッションあたりの時間からドライコンディションになった。
少し濡れた路面のテストができた。
最終セッションは途中でチェーンが切れてしまったが、
充実した一日を送ることができた。

4/1金曜日

この日の天候は、朝は曇っていて、午後からは晴れになった。
ドライコンディションでタイムアタックできるということには、
モチベーションが上がった。

フリー走行 1
USEDタイヤでのぞむと思っていたが、急遽NEWタイヤを入れることになった。
最初は皮むき走行をし、さぁアタック!というところでタイヤのエアーが抜け、
マキシマムアタックができず、当然タイムも全く上がらず終了。
しかし後でチームメイトのPhilip(同じ組のJrドライバー)にリザルトを見せても
らったら、
自分がトップタイムで驚いた。
エアー漏れがまだ完全にひどくなっていない2周目のタイムだったが、
2番目以降の選手は、全員4周目以降にベストタイムを刻んでいることから、
自分の武器であるアウトラップの速さに自信を持った。
(タイム56.804 2番手タイム#40Esmeijer 56.847 0.043秒差)

フリー走行 2
1回目のエアー抜けで確認できなかったテストもあったので、
もう一度NEWタイヤでアタックに入った。
皮むきをし、アタック。
いい感じでグリップもしていて、タイムも出ると思ったが、
トラフィックに引っかかってしまい良いところを活かせず終了。
全体的には好調なので、タイムトライアルはこの調子を活かしたい。
(タイム56.710 2番手タイム#86Philip 56.780 0.070秒差)

Qualyfying Practice(J1組36台走行 15分間)
フリー走行の状況から、トラフィックを避けクリアーラップを取る事が最も重要だ。
セッションが開始になっても、5分経過しても誰もコースインしない。
7分経過でちょろちょろ動き出し、自分はラスト5分くらいで出ていった。
コース上で間隔を空けて、アタック!!!
フリー走行とは違い気持ちよく攻めることができた。
5周目までタイムをどんどん縮めていき、
タイヤの状態の最もいいところで少し引っかかってしまったが、56.020。
自分としては、55秒台に入れられず不満は残った。
チェッカーが出るまでは走り続け、終了。
結果的に56.020がベストで1位。2位とは0.341秒差。
J2組の結果と総合しても1位。総合2位とは0.274秒差。

昨年は組で1位でも総合は獲ったことがなかった1番時計で、
自分も嬉しかったがチームはそれ以上に喜んでくれた。
良くやった!!!など色々な言葉をかけてもらった。
そして、始めてのポール獲得者記者会見。と言ってもインタビューのみだったが、
初めてだったので英語が上手く聞き取れるか、その質問にきちんと答えられるか、
少し不安はあったが、どうにか答えられたので良かった。
合っているかどうかは分からないが(笑)
メカニックが大喜びしてくれて、充実した一日になった。

4/2土曜日

好天に恵まれた一日になった。半袖でちょうどいいくらいだった。
帽子と水も待ち時間には必要だった。
Warm Up5分間はマシンの確認を重点に置いて走行、トップタイムが出た。
Warm Upでの使用タイヤは、昨年まではレースで使うタイヤのみとされてきたが、
今年は少し規則が変わり、レース用のコントロールタイヤ以外の、
練習用タイヤのみ使用可能となった。

予選ヒートに臨むにあたり、
チームからは『飛ばないこと』と、『速さは充分だから、前を見て引き離そう!』
と、アドバイスをもらった。

予選ヒート8周 A×B 36台
開幕戦の初めての予選ヒート。とにかくどのヒートもチェッカーを受ける事が大切。
スタートは上手く切れて、1周目からどんどん引き離した。
しかし3周目、2コーナーで他車の事故があり、コース上はオールイエローコー
ション。
SLOWの文字が出てまるまる2周スローダウン走行を余儀なくされた。
始めに築いたマージンはなくなったが、再スタートのタイミングを決めれば突放
せる。
じっと考えてうまく見極めて、結果的に再び後ろを離すことに成功した。
しかしマシンが滑ってしまう傾向にあり、後続#14に追い詰められながらの
チェッカーだった。
滑った原因を解決しないとまずい。メカニックOLIやPAUL監督に相談した。
解決策を見つけて、次の予選ヒートに備えた。
(ベストラップ58.358 1周目 ファステスト#14Moorsel 58.154 6周目)

予選ヒート8周 A×D 35台
スタートは今回も成功した。2番手がしっかり付いてくるが、
あまり気にせず自分のペースで走ることに集中した。
やがて2番手も離れて行き、マシンセットも決まっていてかなり良いペース。
タイヤをあまり減らさないために終盤はペースを落としチェッカーを受けた。
(ベストラップ56.884 7周目 ファステスト#90Hyman 56.472 8周目)

予選ヒート8周 A×C 35台
最後の予選ヒートは、チームメイトとのフロントロースタートなので、
チームから『最初にバトルはするな。残り5周からはバトルしていいぞ』との指示。
スタートは今回も上手く決まり、引き離しにかかる。
その間に後ろはバトルになったようだ。
その隙に一気にマージンを築き、終盤はタイヤをセーブした。
セーブして走っていてもタイムアップしていったので、
周囲と変わらないペースで走行できていた。
そのままチェッカー。
(ベストラップ57.466 7周目 ファステストラップ#83Andersen 57.171 8
周目)
チームメイトのPhilipは序盤に接触などで大きく順位を落としてしまっていた。
予選ヒートの結果により日曜日のプレファイナルはポールスタートだ。
メカニックはまた大喜びしてくれた。
インタビューはスケジュールの都合で翌日受けた。
日曜日は雨という予報だったが、特に気にせず楽しんでいきたいと思った。

4/3日曜日

朝は意外に晴れていた。Warm Upではマシンの確認走行。ドライでは問題なし。
セットも上手く決まっていて走りやすかった。
問題はその後いつ雨が降ってくるかだ。それによって作業の時間も変わる。
11時20分、雨がきた。強めの雨だったので一気に皆がレインセットへ変更した。
レインセットはテストで一番良かったものにした。

Pre-Final11周 34台
いきなりの雨で慌しく動いてくれたメカニックは、
『昨日のようにやればイケる!!!』と言ってくれた。
とにかく自分は前を見て集中するのみ。
スタートは上手く決まり、ラインも分かっていたので引き離しにかかる。
セッティングも合っていて問題はなかった。
NEWタイヤだったので最初はとても滑ったがコントロールし、
後半のペースは安定してチェッカーを受けた。後続との差は5.866秒に拡がって
いた。
(ベストラップ74.603(ファステストラップ)9周目)

Final14周 34台
ここまで全てパーフェクトできている。
決勝スタート前には雨が止み、水の量も少なくなっていた。
メカニックOLIは『前を見て集中していけば引き離せる!がんばれ!!』と
言ってくれた。
スタートは良かったが、2コーナーで少しオーバースピード。
その間に1台抜かされてしまった。
しかし自分のペースの方がよかったので、どこで抜こうか考えていた。
中のセクションで相手がアウトに行った瞬間を見逃さず、パス。
あとは前を見て集中して走った。
ペースは非常に良かった。2番手よりも常に速いペースだったので、どんどん引
き離せた。
終盤は、マシンを絶対止めないことと、ミスをしないことを心がけた。
そして、待望のチェッカー!
本当に本当にここまで長かった、MAXユーロシリーズ初優勝の瞬間だった。
同時に、自分を送り出してくれた日本の皆様に良い知らせができることにホッと
した。
パルクフェルメでOLIが大喜びしていた。
そしてPaul監督、Ianやチームの人々、ROTAXのダレルさんなど、
たくさんの人々が祝福してくれた。
(ベストラップ72.436(ファステストラップ)13周目)
そして、表彰式。
君が代が流れた時は本当に感動した。そしてもちろん日の丸を表彰台で掲げた。
この日の丸には、日本の事を心配し、
パドックの色んな国々の皆が書いてくれた応援メッセージやサインなどがある。
レースは真剣な戦いだが、それを乗り越えてのたくさんの気持ちを感じ、有難
かった。
被災地で辛い生活をされている方々に少しでもエールを送ることができればと思う。
問題の英語インタビューは、少しは上達したかなという程度なので、もっと勉強
したい。
走らせてもらえることに感謝をしながら、これからも精一杯がんばっていきたい
と思う。

笹原 右京


レポート④.JPG

レポート②.JPG

レポート③.JPG

レポート⑤.JPG

レポート⑳.JPG

レポート⑪.JPG

レポート⑫.JPG

レポート⑬.JPG

レポート⑭.JPG

レポート⑲.JPG

レポート⑯.JPG

レポート⑮.JPG

レポート⑰.JPG

レポート⑥.JPG

レポート⑧.JPG

レポート⑨.JPG

レポート⑩.JPG